僕が其処に立っていた時、聴こえた第一声はそれだった。
 目の前には見知らぬ長身の男と少女。
 
 僕はどうやって此処へ来たのか、今まで何をしていたのか。
 その時にはもう何も覚えていなかった。
 
 少女は言う。
 此処へ来たのは貴方が権利を手にしたからだ、と。
 貴方は今、自分が何者か明確に断言できるのか、と。
 
 僕は僕以外の何者でもない。
 なのになぜだろう、まとわり付く違和感。

 覚えているのは自分が「オネ」という名前であることだけ。
 そんな中僕は二人に流されるまま、二つの世界へ赴くこととなる。
 其処で手にする『鍵』で、貴方は答えを手にすると少女は言った。

 徐々に思い出す、忘れていた理由と比例して深まる疑問。

 自分は、一体誰なんだろう———————。


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